在学生のいま・修了生のいま

在学生のいま・修了生のいま

金思越さん:海外×コミュ力×食!――「好き」と「強み」を活かして日本企業へ

プロフィール

  • 名前:金 思越(きん・しえつ)さん 
  • 専攻:人文学研究科 言語文化学専攻(社会言語学) 
  • 就職先:外食産業(海外進出中の日本企業) 
  • 研究テーマ:日本企業における外国籍の社員と日本人社員の「異文化コミュニケーション」についての研究

インタビュー

「好き」を武器に就職

「食べるのも作るのも大好き! 海外展開する企業なら、中国語・日本語を話せることや異文化コミュニケーションを研究した自分の強みも生かせると思いました。」 

ポイント
  • 自分の“好き”や“得意”を仕事に結びつける、という視点 
大学院で身につけた「柔軟性」 、「本質的思考力」

「国籍がちがっても、同じでも、相手は一人ひとり違う――それに気付けるとコミュニケーションがグッと楽になる。」 

ポイント
  • 社会言語学的な視点から、コミュニケーションにアプローチする
  • 言われた通りにするのではなく、「なぜそうするのか」という本質を突き詰める思考力は、仕事で応用可能な力となる
人文学インターンシップ」で“自分に合う仕事”を発見

「人文学実務研究の授業では、企業の人と直接話して日本の就職活動や職場の全体像を知ることができました。」 

「2週間のインターンシップで、デスクワークより“人と交流する”方が向いていると気づくことができました。」 

ポイント
  • 「人文学実務研究」や「人文学インターンシップ」でキャリア形成や仕事について理解を深める
  • インターンシップでは「向いていること」だけでなく「向いていないこと」が見つかったことも収穫 

留学生×就活のリアルな体験

  • 課題:母国(中国)での就職活動とはやり方が異なる。ES(エントリーシート)や面接回数が多く、長期戦になりがち。留学生の就職は競争率が高い。
  • 対策:海外事業のある企業を中心に、約50社にエントリー 
  • メンタル管理:何度も失敗→自分を疑わない→再チャレンジ
ポイント

「失敗しても、自分らしさを見てくれる企業はきっとある!」

後輩へのメッセージ

  • 「早めの行動」  
    • 就職活動は情報戦!企業研究では「人文学実務研究」・キャリアセンターも活用 
  • 「メンタルを大切に」  
    • 落ち込むのは当たり前。自分らしさを貫こう 
  • 「自分の強みを素直にアピール」  
    • みんなと同じ“正解”より、自分が本気でやりたいことを

編集後記

 人文学研究科では、「人文学実務研究」と「人文学インターンシップ」の科目を設置し、大学院生の皆さんのキャリア形成のための教育プログラムを実施しています。「人文学実務研究」では、人文学の知見や思考を仕事で活用することについて学び、「人文学インターンシップ」では、自己理解・仕事理解を深めます。
 これからもインターシップチームは、「人文学実務研究」と「人文学インターンシップ」を通じて、学生の皆さんが自分の将来をよりよく展望するための教育を推進していきます。(インターンシップチーム教員)

藤枝優希さん:「好きなこと」を研究で深めて仕事にする!  役者からプロデュースする仕事へ

プロフィール

  • 名前:藤枝 優希(ふじえだ・ゆうき)さん 
  • 専攻:人文学研究科 芸術学専攻(演劇学) 
  • 就職先:東宝株式会社(映画・演劇などエンタメコンテンツのプロデュースを行う)
  • 研究テーマ:蜷川幸雄演出の上演作品についての研究
藤枝さん

インタビュー

研究活動で、好きな演劇に対する視野が広がった

「演劇の実践だけではなく、作品の歴史や理論、他の学際的な新分野での研究・分析などを学ぶことで、演劇作品をより多角的に見られるようになりました。」 

ポイント
  • 芸術系の高校→京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)で演技の実践を学ぶ→人文学研究科では演劇の歴史、理論や分析手法について研究
  • 市場や作品のリサーチ→プレゼン→上演→分析検証の流れは、論文や研究の流れと共通する 
専門性のちがう人と対話した経験を就職活動でもアピール

「人文学と対話の授業のような、専門性のちがう人と簡単に答えのでないような問いについてともに考えた経験は、クリエイティブな作業を行う仕事でも有意義だと思います。」 

ポイント
  • 人文学基礎科目(人文学と対話・現代の教養)で、自分の専門以外の見方や研究手法について知ることができ、視野が広がった 
キャリアを考えることと研究活動

「演劇を仕事にしたいと思っていましたが、どのポジションからそれを仕事にするかは悩んでいました。研究を通じてプロデュースという関わりを見出しました。」 

「M1の6月から就職活動を始め、幸い順調に進んだので、メリハリをつけて就活と研究・授業を両立させることができました。メンタル面で厳しいことは大学のキャリアセンターのアドヴァイザーに相談に乗ってもらいました。」 

ポイント
  • 「好きなことを仕事にする」にも様々な方法、ポジションがある
  • 就職活動は孤独になりがち→大学のキャリアセンターを活用

後輩へのメッセージ

  • 「興味関心を少しでも持つものには、飛び込んでいくのがオススメ」  
  • 「現代思想・美学の勉強会や表象文化論やダンスの学会、シンポジウムにも参加することで、今まで、ただ『好き』で見ていた作品が、もっと細かく、深く言語化や分析ができるようになってよかったです。」  

編集後記

 異なる専門性を持つ人との対話や交流の経験は、社会に出て仕事をする際に役立つと思われますが、それだけでなく、自分の専門としていることを多角的に検討する視点を得られ、研究活動にも生きる点がありそうです。人文学基礎科目では、人文学研究科の貴重なリソースである多様な専門性を活かして、受講者のみなさんに有意義な経験を提供できればと考えます。(高橋)