


人文学林とは
人文学林とは
「人文学林」は、人文学研究科全体にまたがる「横断的かつ超領域的な研究・教育インフラ」として位置づけられています。従来の専攻別の研究教育を支えつつ、社会との連携やデジタル技術の活用を含む新しい取り組みを一元的に推進する役割を担っています。
人文学林の使命
大阪大学大学院人文学研究科は、五つの専攻から成り、およそ250人の教員と550人の大学院生を擁する、日本最大規模の人文学系研究科です。その研究科の教育研究の潜在力を最大限に引き出すために設置されたのが「人文学林」です。
人文学林は、専攻の枠を超えた学際的な視点、国際的な交流、社会との協働を促進する仕組みです。教員・学生全員が所属するこの組織では、既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想と対話に基づく分野横断的な研究と教育が推進され、研究科の目標達成に寄与することを目指しています。
その中核をなすのが、「学術マトリックス」の概念です。言語科学・コミュニケーション系、思想・時空環境系(歴史・地理分野)、思想・時空環境系(哲学・思想分野)、文化表象系という4つの学問分野を縦軸、日本、アジア・アフリカ、アメリカ・ヨーロッパ、エリア横断という4つの地理的エリアを横軸とし、教員と学生がそれぞれの専門を生かしつつ横断的なプロジェクトや教育プログラムに参画できる仕組み「デジタルアカデミア」を整えています。これにより、専門知に加え、分野を超えた学びと研究が可能となります。

また、研究科共通科目の運営、相談教員制度、学術イベントの開催、紀要の発行なども人文学林の重要な役割です。これらの活動を通して、学内外の関係者との連携を深め、人文学の新たな地平を切り開く教育研究のプラットフォームとして機能しています。
人文学林のコンセプトは、伝統的な人文学の知識を現代社会に適用し、新たな学問の創出を目指すことにあります。学術の深掘りと社会への貢献を両立させるこのアプローチは、従来の学問体系を拡張し、人文学の新たな可能性を切り開くものです。単位認定型インターンシップの導入や、研究者だけでなく社会の多様な担い手を巻き込んだ活動も展開し、地域社会や国際社会への貢献を視野に入れています。
人文学林の名称の由来
「人文学林」という名称は、漢文由来の「学林」という言葉から着想を得ています。これは学問の中心地や学究の集う場を意味する言葉です。
「林」という言葉が示唆するのは、一本の木ではなく、多様な木々が集まり、豊かな生態系を形成する森のような共存の場です。それぞれの木(=研究者や学生)が異なる専門や視点を持ちながらも、互いに影響し合い、新しい知識の創出を促す場が「人文学林」の本質です。
この名称には、既存の枠組みにとらわれず、自由で創造的な発想を尊重する姿勢が込められています。人文学の多様な領域をつなぐだけでなく、社会や時代の要請に応え、新しい学問の地平を切り開くための拠点としての意味も担っています。21世紀の人文学にふさわしい、未来志向の教育研究プラットフォームとしての役割を果たしていきます。
人文学林組織図
- 人文学林長:山本佳樹(人文学研究科長)
- 人文学林運営委員会委員長:宇野田尚哉(人文学研究科人文学林担当副研究科長)
- 人文学林運営委員会:各部門・チームの長により構成
教育
共通教育部門 | 「人文学基礎」チーム | 研究科共通科目「人文学基礎( 人文学と対話)」「人文学基礎( 現代の教養)」の運営 |
インターンシップチーム | 研究科共通科目「人文学インターンシップ」「人文学実務研究」の運営 | |
デジタルヒューマニティーズチーム | 研究科共通科目「人文学とデジタル技術」「デジタルヒューマニティーズ基礎」「デジタルヒューマニティーズ演習」の運営、DHラボの管理、DH関連イベントの企画・運営・誘致 | |
国際連携教育推進チーム | 大阪大学におけるEurocultureプログラムの運営 | |
融合教育推進部門 | グローバル人文学研究交流プログラムの運営等、専攻を超えた融合教育の推進 | |
学位部門 | 専攻の枠を超えた相談教員制度の運用、高度な学位審査体制の確立 |
研究
学術推進部門 | 専攻の枠を超えた高度な学術活動の推進、「人文学林ライブラリー」の出版など 学術成果の対外発信 | |
学術誌部門 | 『人文学林』編集チーム | 学術誌『人文学林』の編集発行 |
紀要編集チーム | 学術誌『人文学研究科紀要』の編集発行 | |
デジタルアカデミア部門 | デジタルアカデミアの構築とその運用による高度な学術支援 | |
社学共創部門 | 学外団体との連携などによる社学共創の推進 |